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1933年にヴァン クリーフ&アーペルが特許を取得したこのセッティング技法は、石を留める金属を隠し、表から見えるのは貴石だけにするものです。
職人が貴石をひとつひとつカットした後、細心の注意を払ってゴールドのレールに並べていきます。用いられる貴石は主にルビーですが、メゾンの技術の進化によりサファイア、エメラルド、ダイヤモンドも可能となりました。 適切にセットを終えると、作品の表面全体をなめらかに宝石が覆い、ベルベットのような輝きを放ちます。
ミステリーセットには極めて高い専門性が要求されるため、ごく一部の職人のみがこの技法を修得しています。宝飾職人や宝石カット職人の手により、ひとつのクリップを作るのに要する作業時間は300時間以上です。
長い年月をかけ、ボリューム、カラー、透明感において、トラディショナル ミステリーセットの魅力をさらに深める技法が開発されました。ナヴェット ミステリーセット技法はレリーフのような印象的な立体感をもたらし、ヴィトレイユ ミステリーセット技法は、カラーサファイアに光を通すことで淡く透き通ったニュアンスの輝きを引き出します。
魅惑に満ちた花々、風にひるがえる羽根、くるくると舞う葉。1937年に制作されたドゥーブル ピヴォワンヌ クリップをはじめとして、自然から着想を得た多くの作品に、ミステリーセット技法が立体的な躍動感を与えています。